「どうか私を助けてください」
2026年6月15日の朝、私はAIに向かってそう打ち込みました。
52歳。1999年に就職して、ずっと同じ会社でサラリーマンをしてきました。出世することもなく、あまり評価をしてもらえることもなく。どちらかと言えば、不満の連続を黙って耐えてきた四半世紀でした。
その日、私が書いたのはこんな内容です。
既に血圧記録アプリ、節約記録アプリ、ワードバトルといくつかのアプリをあなたのご協力、サポートのもと制作していますが、またこれから、さらに色々なアプリを制作して稼げるようになりたいです。具体的には年間3000万円の稼ぎが欲しいです。
年間3000万円。
自分でも、書きながら「大きく出たな」と思いました。でも、これは若い頃からの夢に近い目標なんです。
60歳の分かれ道
なぜ焦っているのか。理由ははっきりしています。
会社の定年は制度上60歳です。60歳を過ぎたら選択肢は2つ。嘱託職員として会社に残るか、定年として会社を離れるか。
そして嘱託職員を選んだ場合、収入は半減します。
いま年収は800万円台前半です。それが半分になる。その数字を具体的に想像したとき、私は「これは現実的に厳しい、耐え難い」と思いました。26年間耐えてきた身で言うのもなんですが、これは耐える種類のものではない気がしたのです。
60歳まで、あと8年。
8年あれば何かできるはずだ、と思いました。逆に言えば、8年しかありません。
なぜアプリ開発だったのか
私はプログラマーではありません。工場を現場として、現在はその安全教育に関わる仕事をしている人間です。コードを書いた経験はありませんでした。
それでもアプリ開発を選んだのは、AIと一緒なら作れる、とわかったからです。
最初に作ったのは血圧記録アプリでした。自分が使いたかったから、というだけの理由です。次に節約記録アプリ、ゴルフのスコア集計アプリ、そして単語のクイズゲーム「ワードバトル」。
気づいたら4本になっていました。
コードの一行目から、Google Play への申請、審査、リリース。全部AIと二人三脚です。私が「こういうものが作りたい」と言い、AIが実装し、私が実機で試してダメ出しをする。その繰り返しでここまで来ました。
順調ではありませんでした
こう書くと順調そうに聞こえますが、実際は失敗の連続です。
例えば、ワードバトルのあるバージョンで、画面のスクロールが完全に効かなくなったことがあります。原因は「引っ張って戻る動きを止めよう」と入れたたった一行のCSSでした。パソコンのブラウザでは何の問題もなく動くのに、Androidの実機でだけスクロールが死ぬ。原因にたどり着くまで何日もかかりました。
あるいは、広告収入を得るために広告の仕組みを実装して、リリースして、しばらく経ってから気づいたことがあります。
広告が、一つも表示されていませんでした。
実装したつもりで、実際には何も出ていなかった。収益ゼロの状態でずっと配信していたわけです。
さらに、Google Play で正式公開するには、十人以上の一定数のテスターを集める必要があります。私はSNSで募集をかけました。50日間、毎日投稿して、応募はゼロ件でした。
こういうことが、延々と続きます。
それでも続けている理由
では、なぜやめないのか。
一つは、単純に楽しいからです。自分が考えたものが動く。それが誰かのスマホの中で動く。この感覚は、26年間のサラリーマン人生では味わったことがないものでした。
もう一つは、積み上がっているという実感があるからです。1本目より2本目、2本目より3本目のほうが確実に速く、確実に良いものが作れています。失敗の一つひとつが次に効いている。
そして三つ目。私の本業の知識と、この技術が結びつく可能性が見えてきたからです。
工場の安全教育、これは私が長年やってきた領域です。そして、この専門知識を持ちながらアプリを作れる人は、たぶんほとんどいません。ここに何かがあるという予感があります。
このブログで書くこと
このブログでは、この開発の記録を最初期から順に書いていきます。
- 何を作って、どう失敗して、どう直したか
- Google Play の審査やテスターの現実
- 50代未経験がAIとどう作業しているのか
- 収益は実際いくらになったのか(正直に書きます)
そしてもう一つ、変わった企画を用意しています。
同じ開発を「AI側の目線」から書いた記事です。
私と一緒に開発しているClaudeというAIに、AI自身の視点で書いてもらいます。人間側の体験談はたくさんありますが、AI側から見た共同開発の記録は、たぶんほとんど存在しません。
こちらは note で有料公開する予定です。1本目はこちらにあります。
8年後に
年間3000万円が達成できるかはわかりません。正直、かなり遠い数字だと思っています。
でも、60歳のときに「何もしなかった」と思いたくない。それだけははっきりしています。
まずは目の前のこと。節約記録アプリとワードバトルを、Google Play で正式に公開すること。ここから始めます。
同じような立場の方、あるいは「今からでも何か始められるだろうか」と迷っている方に、少しでも参考になれば嬉しいです。

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