最初の報告
5月1日に節約記録アプリのクローズドテストを始めてから、約1か月。6月3日の朝、テスターの1人から報告が届きました。
当時のテスターは、自分の別のアドレスと、家族だけでした。外の人にテスターを頼むようになるのは、ずっと後、8月のことです。
報告の中身は、こうでした。
インストールして起動しようとすると、「アプリに問題がある」というメッセージが出て、起動できない。
誰のスマホだったのか、正直に言うと、もう覚えていません。記録には「ユーザの1人から」とだけ残っています。
AIが真っ先に疑ったのは、広告の設定
AIに相談すると、まずこう説明されました。
そのメッセージは、Android がアプリの異常を検知して、強制的に終了させたときに出るものだ。
原因の候補はいくつも挙がりましたが、筆頭は「広告の仕組みの初期化」でした。広告を組み込んだアプリでは、設定ファイルに広告用の番号(App ID)が正しく入っていないと、起動した瞬間に落ちることがある。
設定ファイルを開いて、直しました。直すこと自体は、10分ほどで終わりました。
直すより、届けるほうが大変だった
ここからが長かったのです。
① パソコンに Java が入っていなかった
アプリを作り直すコマンドを打つと、エラー。調べると、作り直すのに必要な Java というソフトが、パソコンに入っていませんでした。入れるところから始めました。
② 「すべてのバンドルに署名する必要があります」
作り直したファイルを Play Console に上げると、赤いエラー。アプリには「誰が作ったか」を証明する署名が必要なのですが、その設定が、作り直しの手順から抜けていました。
③ 署名の鍵のパスワードを、忘れていた
署名の設定を書き足そうとして、手が止まりました。鍵のパスワードを覚えていなかったのです。
思い当たるものを順に試して、ようやく通りました。冷や汗が出ました。
報告が届いたのが9時11分。直した版を審査に出したのは、10時26分。1時間15分のうち、直す作業より、届けるための準備のほうがずっと長くかかりました。
そして、その30分後。今度は、毎日使っていた Netlify 版のサイトが消えていることに気づきます。6月3日は、そういう朝でした。
3日後、症状が変わった
6月6日、審査を通った 1.0.1 をスマホに入れると、今度は起動画面の「読み込み中…」のまま止まるようになっていました。
ここから1週間、審査を通っても起動しない版が5つ続くことになります。その原因は、広告の設定ではなく、まったく別のところにありました。その話は、審査を3回通っても、アプリは起動しなかったに書いています。
自分で使っているだけでは、気づけなかった
5月1日から8月17日まで、節約記録アプリの更新のほとんどは、自分で毎日使って見つけた改善でした。文字が小さくて読みにくい、目標をあとから直したい、機種を変えても記録を引き継ぎたい。どれも、使う中で気づいたことです。
外から届いた不具合の報告として記録に残っているのは、この6月3日の1件だけです。
そして、この1件は、自分では気づきにくい種類の不具合でした。私がふだん使っていたのは、Netlify で配っていた版です。Google Play から新しく入れたスマホで何が起きるかは、テスターがいて初めて分かりました。
クローズドテストのテスターは、ただの人数合わせではありませんでした。 身内でも、自分の別のアドレスでも、「ストアから新しく入れるスマホ」があることに意味があったのです。
同じ立場の方へ
クローズドテストで最初の報告を受け取ったら。
- 「アプリに問題がある」と出て落ちるなら、まず広告の設定を確かめる。 広告を組み込んだアプリでよくある原因です
- 直したあとの「届ける準備」を、甘く見ない。 必要なソフト、署名の設定、鍵のパスワード。どれか1つ欠けても出せません
- 鍵のパスワードは、必ずどこかに控えておく。 私のように、朝から冷や汗をかかずに済みます
そしてもう1つ。自分が毎日使っている版と、ストアから入れる版が同じとは限りません。 自分で使って問題がなくても、ストアから新しく入れて確かめるまでは、安心できないのです。
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