私が実際に送った注文
2026年6月10日。節約記録アプリの開発中に、私はもう1本アプリを作りたくなりました。
そして、こう書きました。
新しいアプリですが、中学生や高校生も夢中になるような、アプリのスクリーンタイムが1日当たり2時間位に伸びる、そしてGooglePlayでのダウンロード件数が1千万件を超える事を狙えるアプリを作っていただきたいです。
何卒よろしくお願いいたします。
ダウンロード1千万件。
今読み返すと、自分でも笑ってしまいます。個人開発を始めて2ヶ月の、アプリを1本もストアに出したことがない52歳が書く文章ではありません。
しかも最後が「何卒よろしくお願いいたします」。丁寧に無茶を言っています。
AIは笑わなかった
面白いのは、この無茶な注文に対してAIが取った態度です。
呆れもせず、否定もせず、質問を返してきました。
- メインターゲットは? → 中高生両方
- どんなジャンルに興味がありますか? → 学習×エンタメ系
- 開発スタイルは? → 節約アプリと同じく単一HTMLファイル(Capacitor)
- 最初のリリースに含める機能は? → キャラクター育成・レベルアップ、デイリーミッション・ログインボーナス
こうして、漠然とした野望が仕様に変換されていきました。
「1千万ダウンロード」は数字としては現実離れしていますが、その裏にある「中高生が毎日開きたくなるもの」という要求は、ちゃんと形にできる。AIは無茶な部分を切り捨てず、実現できる部分だけを取り出してくれたわけです。
こうして生まれたのが、単語のクイズゲーム「ワードバトル」でした。
「完璧です👍️」
出来上がったものを触って、私が送ったメッセージがこれです。
素晴らしい仕上がりです。本当に素晴らしいです。ありがとうございます。1点だけ、回答のための持ち時間を10秒、15秒、20秒、25秒、30秒と5秒間隔で設定できる機能を追加していただけますか?デフォルトは10秒で問題ありません。
そして数分後。
完璧です👍️
本当に素晴らしいアプリをありがとうございます。
この素晴らしいアプリをGooglePlayで公開したいです。
この日の私は、たぶん人生でいちばん機嫌が良かったと思います。
そして現実が始まる
ここから先が長い、というのは前の記事にも書いた通りです。
「GooglePlayで公開したいです」と書いた次のメッセージで、私はもうエラーに直面しています。
「npx cap init “ワードバトル” “jp.wordbattle.app” –web-dir www」実行したらエラーが出ています。解決策を教えてください。
作るのは楽しい。公開するのは、しんどい。
そして、この後に待っていたのは——
- Google Play Console の設定地獄
- 十人以上の一定数のテスターを集めないと公開できないという制度の壁
- たった1行のCSSで全画面のスクロールが死ぬバグ
- 実装したはずの広告が1つも出ていなかった件
1千万ダウンロードどころか、まず十数人のテスターすら集まりません。 その話はまた別の回に書きます。
無茶な注文は、無駄ではなかった
結果だけ見れば、1千万ダウンロードは達成できていません。当たり前です。
でも、あの注文には意味がありました。
もし私が最初から「まあ、身の丈に合ったものを」と考えていたら、キャラクター育成もデイリーミッションも入れなかったと思います。「中高生が毎日2時間開く」という前提があったから、そういう機能を検討した。
目標を高く置くと、設計が変わる。
これは会社の仕事でも同じかもしれませんが、自分のアプリだと効き方が違います。誰にも怒られないので、いくらでも大きなことが言える。そして言った分だけ、出てくるものが変わる。
AIに無茶を言うことについて
最後に一つ。
AIに向かって大きな目標を口に出すのは、人間相手に言うより気楽です。
「1千万ダウンロードを狙いたい」と会社の同僚に言ったら、たぶん微妙な顔をされます。52歳が言えばなおさらです。
でもAIは微妙な顔をしません。淡々と「ではターゲットは?」と聞いてきます。
この気楽さが、個人開発を続けられている理由の一つかもしれません。
夢を口に出すコストがゼロになった、というのは、案外大きな変化なのだと思います。
この記事のアプリ:ワードバトル(紹介ページ)

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